喪の錬金術師

星のプリンキピア〈上〉―アストロ!乙女塾! (集英社スーパーダッシュ文庫)

星のプリンキピア〈上〉―アストロ!乙女塾! (集英社スーパーダッシュ文庫)

前作は改蔵ヤマモト全日本妹選手権のようなメタオタクギャグ漫画をラノベでやることで萌え小説の解体を狙っていて、いまさら学生の読むようなラノベにハマれないすれきったおっさんオタクに萌え小説を読ませるための作品ではありました。
ハーレムものをおちょくるため女子校で男装少年がもてまくる展開でしたが、しかしながら萌えあるところつねに喪えあり。
萌え作品見たって癒されやしないし、逆に悪意が溜まってくるんですよね。
それでアスおとの新作では喪男いっぱい!の喪男ハーレム小説と化しております。
http://ya.sakura.ne.jp/~otsukimi/
しろはたのトップに載ってるようにニュートンライプニッツデカルト、ヨハン・ベッドガー、チルンハウス、そしてファウストという西洋史上の喪男たちが錬金術をキーワードとしてキャラクターとして集結。
その中で中心人物として出てくるのがオリキャラ?といっていいファントムというキャラ。
オリジナルキャラというかオリが投影されたキャラですね。
ファウストの弟子だったファントムが吸血鬼として永遠の命を手にいれてしまったが、キモメンなので女にモテず、錬金術で理想のホムンクルスを作らんとするもののつねに失敗します。
どこかで聞いた話ですが、あきらかにこれは火の鳥の猿田博士ですね。
猿田は火の鳥によって子々孫々未来永劫モテナイ呪いをうけましたが、モテないんだから子孫がいるわけないんで、火の鳥に出てくる猿田というキャラは子孫じゃなく同じ猿田の魂が永遠に輪廻転生してるものと考えられます。
つまり猿田はファントムのように一個人が永遠にモテないというキャラです。
猿田=ファントムならば、「星のプリンキピア」は手塚が果たせなかった火の鳥完結編だと見ていいと思いますね。
だけど猿田の救済って永遠に続く喪男輪廻から解放されるってことで、つまりファントムが死ぬってことだからファントムに感情移入してると下巻ではけっこう鬱になりそうです。
まあ完結したらこれこそキモイ系小説の雛形って作品になるんでしょうね。