2010年におけるアメコミ翻訳の展開

去年は「WATCHMEN」再販から始まったアメコミ翻訳ラッシュで2003年のジャイブと新潮社が参入したとき以来のアメコミブームだったわけですが、
その内訳を見ると・・・
新作
バットマン:ロングハロィーン」「TOP10」「ウルヴァリン:オリジン」「フロム・ヘル
再出版
WATCHMEN」「バットマンダークナイト」「バットマン:イヤーワン」
という具合で新作は4作しか出てないのでした。
今年の予定も1月に小プロから「キリング・ジョーク」と「V フォー・ヴェンデッタ」が出るだけで、なんとも今後が心許ないですねえ。
ヴィレッジブックスの「イヤーワン」では新作が春に出るそうですが、これがNEXT ISSUE 2010 SPRINGとXを強調してるためすわX-MENか!と騒がられていますがX-MENなんて1冊だけ読んでも面白さが伝わるもんじゃないですからね。
「ウエポンX」の再版だったりして。
アラン・ムーアファンと90年代をひきずったX-MENオタの両方を満足させるために「キャプテンブリテン」でも訳してほしいものですが。
去年はアメコミブームとはほぼ無関係にBD翻訳もなぜか流行ってまして、これは一昨年からの飛鳥新社の「ユーロマンガ」出版、そしてメビウス来日がかさなったからですね。
http://1000planches.org/2009/11/symposium-international-a-kyoto/
年末には国際シンポジウム「世界のコミックスとコミックスの世界」なるものも開催されてますが、このアメコミガン無視っぷりを見てくださいよ、ええ。
アメコミとBD間の断絶さといったらないですね。
アメコミは映画秘宝周辺で盛り上がっただけだし、BDはユリイカ周辺だけってことで、結局のところはオタクの縄張り意識が露骨に出た結果のような気がしますよ。
ユリイカはとっととムーア特集をやればいいんですが、あいかわらずのフランスかぶれのニューアカ雑誌ですからねえ。
今年のBD翻訳はユーロマンガの巻末で書いてあったようにメビウスの「アンカル」、
http://ehonkan.exblog.jp/12088579/
そしてくらしき絵本館が2冊出すようですね。
あとは河出書房新社がまたエンキ・ビラルでも翻訳してくれればいいんですがやらんでしょうね。
そしてオルタナコミック界はPRESSPOPが沈黙を破って復活するみたいです。
http://www.presspop.com/shop/comics01.html
「JIMMY CORRIGAN」が2冊同時に。PRESSPOPはブログ見ると景気の悪い話しかしてないんですが大丈夫なんでしょうか。
PRESSPOPが撤退したらこんなん訳す会社なんか出ないんだからなんとか生き残ってほしいものです。
以上、今現在わかってるだけでもこのぐらいは出版されるので来年いっぱいぐらいはなんとかなりそうではありますよ。